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最後のバブルがやってくる

題名:最後のバブルがやってくる
著者:岩本 沙弓
おススメ度 ★★★


色々面白い話が記載されていますが、私が、なるほど……と思ったのは、ギリシャの危機によるユーロの大幅下落についての考え方です。まさに通貨戦略を持った国家間のせめぎあいですね。(日本は???)

ユーロ危機をあえて放置したドイツの思惑

 2011年9月、EU(欧州連合)財務相理事会にティモシー・ガイトナー米財務長官が初めて参加しました。その際には米国として欧州危機拡大回避の迅速な対応を求めたのですが、ユーログループ(EU加盟国のユーロ圏各国の財務相による会合)議長のルクセンブルクのジャン‥クロード・ユンケル首相は「ユーロ圏に加盟していない国とは議論をしない」と突き放し、オーストリアのマリア・フェクター財務相は「(経済)指標がユーロ圏より悪い米国が我々に提言するのは奇妙だ」と不快感を示しました。欧州当局者からしてみれば、巨額の財政赤字を抱え、デフォルト問題まで噴出した国と話すつもりはない、というところです。危機に陥っている欧州がけんもほろろに米国を扱う様子から、米国と欧州の間には熾烈な駆け引きがあるのがうかがえます。 

前述した通り過去2年間、為替市場では米国の財政問題により急激な米ドル安・円高が進みましたが、欧州危機がなければ対ユーロでも米ドルは相当減価していてもおかしくはありませんでした。しかし、危機が長引いた結果ユーロは売られ、ギリシャが問題となり始める直前の2009年末の水準まで、ユーロのレートが回復することはなかったのです。

 これほどまでに欧州危機が問題となっているのだから、欧州各国は皆、経済的な苦境に立たされているのではないかと思いがちです。しかし、実はドイツはこの間の相対的なユーロ安の恩恵をしっかり受けているのです。
 ドイツは日本とは対照的に、対GDP(国内総生産)で輸出比率の高い国です。「円高悪玉論」(第5章)で触れている貿易依存度の図表8(PI18)を確認して頂ければと思いますが、ドイツの対GDPの輸出比率は3割以上と、日本の3倍近くになっています。また先進国の中でも、オランダやスイスに次いで輸出依存度が高い国となっています。

 日本でも、地方都市ではそれほどでもありませんが、都心を車で走っていればドイツ車が溢れているのがわかります。日本市場だけでなく、例えば2010年上半期にはドイツの対中輸出は前年同期比で55・5%も激増しました。そして、2010年のGDP成長率は新興国であるならまだしも経済成長の鈍化やむなしの先進国で最も高い3・6%という数値を記録しました。

 2011年のGDPはドイツの主な貿易相手国にギリシャの債務危機が波及したため鈍化しましたが、それでも3・O%です。また、2011年12月の失業率は過去20年の最低水準である6・8%まで下がっています。高失業率で苦しむEU圏内においてドイツだけは例外です。これは、統一バブルで好景気に彿いていた東西ドイツ統一の時期と同じような景況感になっているのです。

 かつてドイツがマルクを使っていた時代、少しでもドイツ経済が好調になるとマルク高となり、ドイツの輸出が抑制されるという現象が発生していました。早期にギリシャを切り離していたなら逆にユーロ高が進んだ可能性があったのですから、ドイツの輸出もユーロ高によって頭打ちとなったはずです。その場合、製造業や輸出企業を中心としたこれほどの経済成長を遂げることはできなかったと思われます。

 つまり、欧州危機による通貨安はドイツにとつてはむしろ歓迎ということです。ギリシャ危機への対応が遅々として進んでいません。EU圏内で経済的には最強国であるドイツが、ギリシャヘの救済に対して煮え切らない態度をとり続けてきたのは、好況の陰の立役者である「ユーロ安」を温存するという目的があったためでしょう。

 日本人から見ると、ドイツ人が汗水垂らして働いている間に遊び暮らしているギリシャ人、そのようなイメージが先行しがちで、ドイツ国民の税金を使ってギリシャを救済するなど、とんでもないという報道が目立ちます。しかし、ギリシャ危機があればこそ、ドイツ経済は恩恵を受けていたという事実があります。それを考えれば、統一通貨にこだわる以上、救済措置を講ずるのは、実はフェアなことなのではないでしょうか。


ユーロ対ドル、各国の駆け引きが火花を散らす通貨戦略
日本人にはあまり馴染みのないことかと思いますが、各国は国家戦略の1つとして通貨戦略を持っています。


 例えば米国の大統領は毎年1月に一般教書演説を連邦議会両院の議員の前で行います。この中で大統領の考える政治的な課題や経済政策などが提示されますので、米国がどの方向に連んでいくつもりなのか、その大枠のようなものが確認できます。 バラク・オバマ大統領は2010年の一般教書演説以来、2014年までの輸出倍増計画を掲げてきました。ドイツの輸出がユーロ安で恩恵を受けたように、どの国でも輸出にとって都合がいいのは自国の通貨安です。単純に考えて、オバマ大統領は輸出を倍増するというのですから、少なくとも任期終了の2012年までは、米国の通貨戦略がドル安の方向に持っていく方針である事がわかります。



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テーマ : オススメの本
ジャンル : 本・雑誌

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船井幸雄さんのファンで、そこで紹介されていた本をよく読みます。

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